日々是肉球

2011年 10月 08日 ( 1 )




6月の石巻のこと

気を失っているうちにもう10月!
早いなあ。猫たちの体の中では、さらに4倍で時間が流れていると思うと
片時も無駄な時間はないと思えるのです。

先日は、山元町へボランティア行ってきましたが
石巻のことをまだ書いていなかった気がするので、まずそのお話を。

石巻は、父の生まれ故郷です。
もう親戚一同仙台や山元町などに移っており、今回石巻では被害に遭わなかったけれど。
叔母の友人などが多数犠牲になったと聞き、胸が痛む。
合気道の兄弟子の出身大学もあり、先輩が亡くなったとのこと。
もちろん石巻出身で親戚が多数犠牲になったという方もいる。
身近に東北にゆかりのある人が存外多く、私にとっても他人事ではまったくない。

6月中旬、出張の振休を利用して
また車中一泊弾丸ボランティアバスツアーに参加。

23時、池袋駅でバスに乗り込み、一路石巻へ。
4月に行ったときは初めてで、素人が役に立つかとても緊張していたのだけれど
今回は二回目、夫は仕事の都合がつかなかったので一人での参加。
周りも一人参加が多かった。
年齢は20代~60代まで、それぞれがそれぞれの思いを抱えて、静かに夜行バスの眠りにつく。

東北道はまだ道路が凸凹していて、ガタンガタンという衝撃で時折目が覚める。
しかしこの長さの道路を震災後急きょ直したって、すごいなあ。
道路は大動脈。
深夜の東北道を、ひた走る。

翌朝、石巻へ入る。
旧北上川を渡り、一見4月の東松島よりきれいに見える家々。
でもよく見ると、壁の2~3mの高さにうっすらと泥の線がついている。
津波は川を遡り、こんな高さまできたのだ。

作業場所付近に到着、それぞれ長靴やカッパなどを着込む。
(私は家から長靴履いていったけれど)

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作業場所は避難所となっている湊中学校の裏。
翌日が石巻の合同慰霊祭ということで、
遠方に避難している人々も帰ってくるとのこと。
すこしでも片付いた町を見てほしい、という地元ボランティアセンターの方々の意志で
人々を乗せたバスが通る沿道のお掃除をすることに。

スコップで、側溝にたまったヘドロを掘り返し、土のう袋に詰める。
周囲は水産加工工場が多かったせいか、魚の腐ったような強烈な匂い。
ヘドロを掘り返すと、魚の死骸に混じって、ウジ、ウジ…
こんなにたくさんのウジ虫を初めて見た。
これが全部ハエになり、夏、避難所の皆さんを悩ませていたわけだ。

匂いと粉塵とハエ。かなりきつい環境。
そして作業をしていると汗だくだくで、暑い。
水を頻繁に摂り、熱射病にならないようにこまめに休憩。
さぼってるわけじゃないのです。自己管理しないと、お荷物になってまう。

電柱がひん曲がっている。
自衛隊のトラックも行きかい、荒廃した大地は本当に戦後のよう。

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作業途中、自衛隊と一緒に歩いていた地元の作業服姿の若者が近づいてきた。
「どちらからですか?」
「東京です」
「遠いところからありがとうございます」
「こちらこそ…本当に大変ですね」
「まぁ…今自衛隊と遺体を捜索しているんです」
「まだこの辺りにあるのですか?」
「昨日も向こうの側溝で見つかったし、この辺の家はまだ最近まで手が付けられない状況だったので。何かの作業をしていて遺体があると、自衛隊に連絡が入るので、向かうんです」
「それはつらいですね…」
「まだまだですねぇ。でもこうして遠くから来てくれてる姿を見ると、ほんとに嬉しいっす」

ニコニコと、屈託なく話してくれた。
一番つらい人は、一番笑っているものなのだ。
私の方は、なかなか言葉が出ない。

湊中学校の裏の道は泥が一応片付き、なんとなくきれいになった。
近くの葬儀場をお借りして、昼食をとることに。

道すがら、墓地に車がひっくり返っている。
ボランティアセンターの若者たちは本当によく動き、心強い。

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東京で買って持ってきたおにぎりを食べながら、バスで隣の席だった女の子と話す。
都内の大学生で、タフな旅が好きで、バックパッカーの経験もあり、メキシコが良かったと話してくれた。
私もメキシコの骸骨祭り、行きたいんだよね~と、束の間の談笑。
見た目は普通のお嬢さんなのに行動的な彼女は、特にこれまでボランティアに興味があったわけでもないけれど、今回の惨状を報道で知り何かできないかと思い、一人で飛び込んだとのこと。
こういう若い人、たくさんいて欲しい。

午後は街道沿いの住宅前の側溝のヘドロ除去。
掘っても掘っても、水がどこからかどんどん流れ込んでくるので、作業成果が見えない。
これは終わりがあるのか…と少し絶望的な気持ちになりながら(おそらくみんな同じ気持ちだったに違いない)、それでも自然にスコップ係と土のう袋係のペアになり協力し合って、ひたすら泥を掻く。
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ようし完了!と胸を張って言えない状態で、時間切れ。
ヘドロを除いたところに汚水が入り込み、「水路開通させちゃったね…」と少し呆然としてバスに戻る。
何だか地元の人に申し訳ない。

帰りのバスは、みんな爆睡。
肉体を酷使することは、素晴らしい。
頭をからっぽにして、何かに奉仕するということがこんなに心地良いなんて。

語弊はあるかもしれないけれど、ボランティアは純粋に楽しい。
特に善なることをやっている、という意識はまったくない。
自分は体が自由に動く、困っている人がいる、手伝う。
それだけのシンプルなものです。
ボランティアという言葉が、物好きな偽善者がやるもの、という一部の偏ったイメージで垣根をつくってしまっているのかも。
大規模な組織とかになるとまた大変なんだろうけれど。

夜、池袋駅到着。
別れ際に、一緒に働いた若者に、「また参加しますか?」と聞いた。
「俺、今アメリカにいて、今回は里帰りだったんですけど、どうしても来たかった。今度帰ってこれるときは、また参加したいです」
と美しい目で力強く答えた。
こういう若者ばかりだと思うんだ、ニッポン。本当は。

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最近ボランティア帰りの高速サービスエリアで、お土産を買うのがひそかな楽しみになっています。

合気道のおかげで、今のところ全く筋肉痛とは無縁。
丈夫な体と両親に、あらためて感謝。

kiii
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by yun-ron | 2011-10-08 12:16 | あれこれ

ヒトコトないしフタコトミコト
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