浪江町「希望の牧場」2014/2/6
飯舘村の翌日、浪江「希望の牧場」へ行ってきました。約360頭の牛たちを原発事故後、生かし続けている牧場です。(近日発刊、JAFMate3月号にも掲載されていますのでご覧ください。)昨日とはうって変わって快晴、少しつららも緩んでいました。 牧場の作業はこんな感じです。
朝8時牧場着。すでに吉沢さんとお姉さんのシズさんはお仕事中。おはようございま~す、と挨拶もそこそこに、まずは牛舎の通路中央にトラクターで撒かれた「もやしかす」を、人力(スコップやプッシャー)で両脇の牛の餌溝へ分けていきます。発酵しているのでとても良い匂いです。
今度はリンゴのしぼりかすを同じように両脇の牛に分けていきます。もやしとリンゴは滑るので、足元注意。
そしてスーパーの廃棄野菜を集めたトラックが到着。カラフルな野菜・果物がドドーッと下ろされるので、トラクターで通路に広げたのち、同じようにスコップなどで両脇の牛へ。
ヒトの世界ではゴミと呼ばれるものが、ここではご馳走。牛たちも配合飼料よりずっと美味しそうに食べている気がします。それでも、このたくさんの牛たちには全然足りないようで、ものの数十分でトラック1台分がなくなってしまいます。
牛たちも好き嫌いがあって、リンゴ、かぼちゃ、さつまいも、にんじん、アボカド、パイナップルなどは大好きのようで、真っ先にボリボリ食べます。残るのが、ショウガ、ごぼう、パイナップルのヘタ。でも、最終的にはきれいになくなるので、しょうがないかー、という感じで食べてるのでしょう、可愛い…猫などにもダメなネギ類は入ってないので、そこはスーパーに配慮してもらっているのかもしれません。
次は干し草ロール。この日はライ麦だそうです。とってもいい匂い。「動物のお医者さん」で良いサイレージはオレンジの匂い、と言ってましたが、ほんとにオレンジの香りです。
休憩は、吉沢さんお手製(!)薪ストーブで缶コーヒーをあっためながら、暖を取ります。 原発の横で、薪ストーブ。遠い東京に電気を送るために…エコですね。
この日の給餌はここまで。夏はもう一個ロールがあった気がしたので、餌の量を少し減らしているのか、減らさざるを得ない状況なのか…
牛が水をごくごく飲むイメージ、あまりないですよね?私はなかったのですが、すごくたくさん飲むのです。一日に一頭当たり30リットル必要だそうです!牛が鼻で押せば水が出る水飲み器が設置されていますが、この寒さで凍結…そこで、バケツリレーをして牛たちに水をあげることになりました(第二牛舎の南側は出ていたので、より凍っていた第一牛舎にて)。 あげたそばからゴキュゴキュ飲んで、あっという間になくなってしまうので、何度も運びました。たくさん飲むのね~!相当喉が渇いていたようです。
私はもともと特段牛に思い入れがあって生きてきたわけではないので、牛は何となく集合体の牛、だったのですが、牧場に来て、牛が野菜をガシュッと噛み砕き、ごっしゃごっしゃと奥歯ですりつぶしているのを間近で見て、音を聴いていると、涙が出てきます。 この顔!ああこの子たち、生きているんだな、食物を取り入れて、消化して、あったかい息を吐いて…ととても愛おしく思うようになりました。
牛が一頭生きるというのは、ほんとうにデッカイことなのです。水、食料、エネルギー、土地、人の手をたくさん必要とする。マックで100円バーガー、牛丼屋で200円牛丼を出すというのは、それを食べるということは、どういうことなんでしょう。
お昼は、吉沢さん宅にお邪魔して、警戒区域に捨てられていた美猫メイちゃんに癒されながら。
お姉さんの肩に乗るクイちゃん。
景色も良いし、最高の環境です。庭では牛と、犬のロクと、猫のクイちゃんが走り回っています。その向こうには福島第一原発の排気塔。ここは原発から14kmの現実。
午後は、廃墟になった牛舎周りの粗大ゴミや鉄くず集め。ゴミはキャンプファイヤーに。 変な色の煙と、ダイオキシンも負けないくらい出てますけど。。放射能とダイオキシン、後者の方が短期間で影響が出そうですが(もうヤケクソ)。。牛もあったかいのか好奇心からか、たき火に寄ってきます。 焼き牛になっちゃうよ~誰も食べてくれないけどね…涙
汗と日光(私は日光アレルギー…)による体力の消耗がない分、夏よりは体の疲労度は少なかったです(あるいは労働不足?)。でも心は疑問でいっぱいです。いつまで続くの?国はなぜ無視しているの?目をつぶって、耳をふさいで、自分たちは東京で何をしているの?
吉沢さんもいつも明るくお話してくださるのですが、常に「何のためになるのかね?このまま風化して自分たちは忘れ去られてしまうのかね?」と答えのない問いを繰り返していらっしゃいます。
私には今のところ、「また来ます」としか言えません。いやそれすら、自分の積算被ばく量がどれくらい今後影響があるのかもわからないし、約束も保証もできません。でも、自分たちの原発に対する無知と無関心と便利さを追い求める生活のせいでこうなっていることは確かだし、その責任があることはわかっています。この世界を変えるには、まず自分たちの生き方を変えねばならないと。
牛たち、冬毛になっていました。ちょっと毛足が長くなって、特にタテガミのところがほわほわになっていて、とてもあったかそうで、可愛かった。 私は肉を食べないけれど、君たちのこの命はどういう状態なんだろうね。
夕方18時、牧場を後にして、ヨークベニマルで買いこんだお惣菜で宿にて夕食。明日は午前中だけ牛のお手伝い、午後は温泉にでも寄って帰りますか、と当初は話していたけれど、飯舘村の犬猫たちのことが気になり、よっしゃ、日比さんがなかなか行けない犬の散歩重点で行こう!と、牧場後に飯舘の犬たくさん地区(大倉地区)を3時間程度まわって帰る、と作戦変更。これでこそチーム銀次!
kiii
朝8時牧場着。すでに吉沢さんとお姉さんのシズさんはお仕事中。おはようございま~す、と挨拶もそこそこに、まずは牛舎の通路中央にトラクターで撒かれた「もやしかす」を、人力(スコップやプッシャー)で両脇の牛の餌溝へ分けていきます。発酵しているのでとても良い匂いです。
今度はリンゴのしぼりかすを同じように両脇の牛に分けていきます。もやしとリンゴは滑るので、足元注意。
そしてスーパーの廃棄野菜を集めたトラックが到着。カラフルな野菜・果物がドドーッと下ろされるので、トラクターで通路に広げたのち、同じようにスコップなどで両脇の牛へ。
ヒトの世界ではゴミと呼ばれるものが、ここではご馳走。牛たちも配合飼料よりずっと美味しそうに食べている気がします。それでも、このたくさんの牛たちには全然足りないようで、ものの数十分でトラック1台分がなくなってしまいます。
牛たちも好き嫌いがあって、リンゴ、かぼちゃ、さつまいも、にんじん、アボカド、パイナップルなどは大好きのようで、真っ先にボリボリ食べます。残るのが、ショウガ、ごぼう、パイナップルのヘタ。でも、最終的にはきれいになくなるので、しょうがないかー、という感じで食べてるのでしょう、可愛い…猫などにもダメなネギ類は入ってないので、そこはスーパーに配慮してもらっているのかもしれません。
次は干し草ロール。この日はライ麦だそうです。とってもいい匂い。「動物のお医者さん」で良いサイレージはオレンジの匂い、と言ってましたが、ほんとにオレンジの香りです。
休憩は、吉沢さんお手製(!)薪ストーブで缶コーヒーをあっためながら、暖を取ります。
この日の給餌はここまで。夏はもう一個ロールがあった気がしたので、餌の量を少し減らしているのか、減らさざるを得ない状況なのか…
牛が水をごくごく飲むイメージ、あまりないですよね?私はなかったのですが、すごくたくさん飲むのです。一日に一頭当たり30リットル必要だそうです!牛が鼻で押せば水が出る水飲み器が設置されていますが、この寒さで凍結…そこで、バケツリレーをして牛たちに水をあげることになりました(第二牛舎の南側は出ていたので、より凍っていた第一牛舎にて)。
私はもともと特段牛に思い入れがあって生きてきたわけではないので、牛は何となく集合体の牛、だったのですが、牧場に来て、牛が野菜をガシュッと噛み砕き、ごっしゃごっしゃと奥歯ですりつぶしているのを間近で見て、音を聴いていると、涙が出てきます。
牛が一頭生きるというのは、ほんとうにデッカイことなのです。水、食料、エネルギー、土地、人の手をたくさん必要とする。マックで100円バーガー、牛丼屋で200円牛丼を出すというのは、それを食べるということは、どういうことなんでしょう。
お昼は、吉沢さん宅にお邪魔して、警戒区域に捨てられていた美猫メイちゃんに癒されながら。
お姉さんの肩に乗るクイちゃん。
景色も良いし、最高の環境です。庭では牛と、犬のロクと、猫のクイちゃんが走り回っています。その向こうには福島第一原発の排気塔。ここは原発から14kmの現実。
午後は、廃墟になった牛舎周りの粗大ゴミや鉄くず集め。ゴミはキャンプファイヤーに。
汗と日光(私は日光アレルギー…)による体力の消耗がない分、夏よりは体の疲労度は少なかったです(あるいは労働不足?)。でも心は疑問でいっぱいです。いつまで続くの?国はなぜ無視しているの?目をつぶって、耳をふさいで、自分たちは東京で何をしているの?
吉沢さんもいつも明るくお話してくださるのですが、常に「何のためになるのかね?このまま風化して自分たちは忘れ去られてしまうのかね?」と答えのない問いを繰り返していらっしゃいます。
私には今のところ、「また来ます」としか言えません。いやそれすら、自分の積算被ばく量がどれくらい今後影響があるのかもわからないし、約束も保証もできません。でも、自分たちの原発に対する無知と無関心と便利さを追い求める生活のせいでこうなっていることは確かだし、その責任があることはわかっています。この世界を変えるには、まず自分たちの生き方を変えねばならないと。
牛たち、冬毛になっていました。ちょっと毛足が長くなって、特にタテガミのところがほわほわになっていて、とてもあったかそうで、可愛かった。
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by yun-ron
| 2014-02-12 01:10
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