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日々是肉球

歴史の証言

エフのイベント「VOICES FROM ABOVE」で、二瓶治代さんの貴重な証言を聴いた。

二瓶さんは、小学2年生のときに東京大空襲を体験し、生き延びた。灼熱の炎、炭化した死体の山、人々の呻く声。彼女の冷かな語りから追体験した地獄のようなありさまは、テレビの映像や写真からは決して感じ取ることのできない、強烈なものだった。我々が平穏に暮らしているこの浅草周辺は、今から約65年前、何トンもの焼夷弾で焼き尽くされ、焦土と化したのだ。

あまりに凄惨な記憶は、心の奥底にしまい込み、扉を閉ざしてカギを掛けてしまいたかったでだろうと思う。それでも、戦争を知らない世代のために、二度と愚かな過ちが繰り返されないように、記憶を掘り起こして体験を語り継ぐことを決心された。ものすごい精神力だと思う。

エフからの帰り路、何千人もの人々が折り重なるように亡くなったという、言問橋を眺めた。多くの自動車が行き交い、向こう側には完成が近づいたスカイツリーが聳え立ち、当時の面影は感じられない。橋脚のコンクリートの土台の薄黒い染みは、表層を炎で覆われた隅田川で遺体が焼けた跡だとも伝えられる。毎日の通勤で通るこの橋も、そのような重い歴史を背負っているのだ。

なぜ、人は戦争をするのか。なぜ、低空飛行で逃げ惑う人々を見ながら、焼夷弾の束を落とすことができるのか。個人的な恨みもない目の前の「敵」兵に弾丸を打ち込み、腹腸に銃剣を突き刺すことができるのか。今の自分にとっては、全く理解を超えている。
でも、仮に自分が戦時に生まれたとして、「敵」を殺すことを拒むことができただろうか。疑問や嫌悪を感じつつも、拒むことを社会が、国家が許さなかったという理由で、巻き込まれていったのではないか。さらに言えば、時代の波に呑み込まれ、さしたる抵抗もなく、戦争の担い手になっていたかも知れない。

人間とは、恐ろしいものだ。

♨む♨



by yun-ron | 2011-02-13 23:18 | 浅草

ヒトコトないしフタコトミコト
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