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日々是肉球

2016.3.26 飯舘村 春の芽吹き

ひと月ごとに通うと、季節が移ろうのがわかる。毎日いる彼らには、本当に長い長い時間だろうな…朝は-2℃、日中は7℃の暖かい日でした。
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今回は、調子の悪い猫がいるけどなかなか会えない、捕獲器にかからない、との情報だったので、会えれば良いな、と何となく思いながら「電波塔」のお宅へ行くと…いた!
やせ細って、ぼろぼろよれよれのミケ。ニャーニャー弱く鳴きながら、これまでこんなに近くに来なかったのに、という距離まで近づいてくる。
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これはチャンス、と美幸さんが首筋を捕まえようとしたけど、逃げられてしまう。
捕獲器をセットして、一緒にいた茶トラに何とか先にごはんを食べてもらい、ミケにじりじり近づいて、目の前で捕獲器にごはんを入れ、息を殺して「木」のフリ…
ミケは鼻もあまり効かなくなっていた様子だったけど、目の前のごはんが欲しくて欲しくて何度か捕獲器の周りをうろうろして、それを見た茶トラが「やめなよー行こうよー」と言うように、遠くからにゃーん、にゃーん、と呼びかける。
ミケはごはんがあきらめられず、しばらくすると、意を決したように、そうっと捕獲器に歩みこんだ。入った!
カシャン、と扉が閉まり、焦るミケ。
でも捕獲器を持ち上げて車まで運ぶ途中も、中でごはんを食べていた。そんなにお腹が減っていたんだね…可哀相に。
そのあとも、車に乗せたまま給餌続行。おとなしい旅のお供でした。

ひとりぼっちにしてしまった茶トラには悪いことしたな…寂しかろね。

結局ミケには、夕方までずっと給餌にお付き合いいただき、さらに川俣の動物病院で、数週間前に飯舘村で保護されて検査入院してた黒フサをピックアップ、2匹の旅のお供とともに、郡山へ向かいました。2匹ともニャンともすんとも言わず、おとなしくてえらかった。
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黒フサはかなりのいけニャン。

夜、郡山の病院で、シェルターを運営されている犬班さんにその後を託す。いつも、最後まで面倒を見られなくてすみません。ありがとうございます。

ミケは検査の結果、体重はなんと1.9kgの軽さ。骨盤を骨折しており、エサ台にも飛び乗れず、ずっと食べられていなかったのか、胃の中には砂利まで入っていたそうで…そんなギリギリの状態で出てきてくれたことに感謝。本当に…よくがんばった。

黒フサも歯があまりないとのことで、かなり高齢の様子。よくぞ5年も村で生き抜いてきた。

ミケを保護する前に、たぬたぬ宅でそれ以上にぼろぼろよれよれのミケを見かけて犬班さんに相談し、トリアージならぬ優先順位をつけての保護となりました。本当はみんなを一度に保護できれば良いけれど…
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シェルターはあくまでもシェルターであり、一時避難所なのだけれど、みんなに里親がすぐ見つかるわけではなく、中心となっているボランティアさんにかなりの負担がかかっているのが現状。少しずつ周りに知ってもらって、少しずつ里親を見つけて、一匹でも多く、あったかいおうちで暮らせるように。

原発事故のもう一人の犠牲者である彼ら。二度もヒトが苦しめてはならない。

今回も犬猫たちのごはんは、浅草ギャラリー・エフに寄せられた仁義箱から買って届けることができました。いつもご支援ありがとうございます。

今回訪問したお宅。
・山木屋
・チョコ
・クルッポ
・ゲート前
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・ムク
・マメ
・集荷所前
・たぬたぬ
・小宮牛舎
・ピッコロ
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・バス停
・サロン
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・電波塔
・カンナ
・ご老公の家
・チロ
・BOX21
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・親子西
・親子東
・タロウ
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・チーズ
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・フサ
・ハイジ
・マァマァ
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・須萱(すでにどなたかが回られた後でした)

帰村を目指してか、解体を決してか、多くのお宅では片付けが進められてきている様子もあり、止まっていた時計が少しずつ動き出しているのが感じられました。
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住民の方々の生活が戻ることが、一番の解決策。表面はジョセンしても、心中の複雑さは、いかばかりでしょうか…

写真はこちら★

kiii



# by yun-ron | 2016-03-28 23:39 | 震災

2016.2.20 飯舘村 春待ち

気温は-3℃から9℃と暖かい日。先月苦労した雪が嘘のように溶け、スムーズに家々を訪問することができました。今回はいつもの美幸さんのオレ銀号。朝6時半着、雨が降らないうちに犬の散歩終わらせよう、とさくさく回りました。

写真はこちら★

訪問したお宅
・須萱5件
・ハイジ(みーちゃん)
・ゴンのいた納屋
・タロウ
・親子猫西・東
・蔵の丘
・花卉農家
・レオン
・ヒメちゃん
・チーズ
・マガリ
・豚クロちゃん
・大火
・石材店
・ご老公の家
・工務店
・BOX21
・電波塔
・サロン
・葉タバコ
・小春
・マリリン
・割木バス停
・長泥ゲート前
・マメ
・集荷所前
・たぬたぬ
・比曽坂
・山木屋
の34軒。悪天候でなければこれくらい。

暖かかったけれど会えた猫の数は少なめ。でも置き餌の減り具合は割と順調で、猫が食べてるんだ、と思われる食べ方(ちょぼちょぼ食べ)が多かった。これも毎日訪れる郡山の日比さんと、茨城のボランティアまだおさんが改良を重ねた置き餌ボックスの効果ですね。旧型のボックスはすっからかんになっているのがほとんどで、タヌキ、キツネ、ハクビシン、ネズミ、カラスなどが食べていると思われます。山はジョセンで丸はだかにされ、彼らにも食べ物がない状況ということ。

会えた犬猫たちの表情は心なしか穏やか。犬はとにかくヒトが来るのを待って待って待ちわびている。毎日毎日、次いつ来るかわからないニンゲンを。チーズのお散歩をいつもよりたっぷりめに、丘の上のお墓まで行ってみた。チーズ、あったかいね。チーズ、えらいね、と声をかけながら。チーズはわかっているのかいないのか、猛ダッシュしたり、松林でたくさん大地に肥料を放出していました。すっきりした?
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また来るね、とお別れする時、ぶんぶん振っていたしっぽが力なく下がる。ごめんね、また来るから!としか言えない。。

猫たちは、にゃーん、にゃーん、と泣き真似て合図をしながらごはんの用意をしていると(村以外でやったら完全に変なヒトだ)、いつの間にかひっそりと少し離れたところに現れてじっとヒトがいなくなるのを待っている。それでも見つける美幸さんの猫センサーもかなりのもの。

みーちゃん宅の白いボロボロの猫、びっこをひいて目ヤニだらけなので捕獲器をセットしましたが、入ってくれませんでした。まだ食欲があるようだったけれど、かなり衰えているようす。。

猫のバナナは、胸の脱毛が気になります。背中にも抜けた後に生えてきたあとが。疥癬みたいにただれているわけではないし。村の猫たちにはほかにもそんな症状が散発的に現れていて、原因は何なんだろう?
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午後から雨。村では次々に家や納屋が解体されており、これまで猫たちの居場所だったところがなくなってきている。ボランティアたちが、捕獲器で捕え、病院で検査し、里親を探す、という活動の繰り返し。野生動物や、暑さ寒さ、明日食べられるかに脅えずに暮らせる新しい家が見つかるのが急務。

帰還困難区域との境界、長泥ゲート前はやはり線量が高くて、東京の約30倍。慣れて怖くなくなってしまったけれど、やっぱり異常なんではないかなぁ、とぼんやり。自分の反応も鈍くなってしまっている。いかん。

犬猫たちの5年は、ニンゲンの20年にあたる。それを思うと、改めて胸がつぶれそう。長い、長いね。。

そんなことは何にも気にせず、トウモロコシをもふもふ美味しそうに頬張る豚のクロちゃんを見ていると、動物って尊いなぁと、とても静かで厳かな気持ちになった。豚の生きている匂いと、高層ビルに囲まれて土の見えない暮らしをしている自分。見ないふりしてないよね?と自問自答。
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クロちゃんの背中の毛は、ばりばりに剛毛で、地肌はほんわりあったかかった。どうか、生き延びて。

今回もフードは浅草ギャラリーエフに寄せられた募金、手芸部のぶさねこグッズの売り上げなどから買うことができました。ご支援ありがとうございます。

帰りはいつもの、矢板北PAで、野菜塩タンメン。いつも親切に肉抜き対応してくれるおばちゃん、美味しかったです、ご馳走様でした。色々な方に支えられている。多謝。

kiii



# by yun-ron | 2016-02-21 16:32 | 震災

2016.1.23 飯舘村 雪に閉ざされ

積雪は30cmくらい、気温-6度。家々のアプローチはことごとく雪に埋もれ、車では近づけなかったので、一軒一軒、幹線道路に車を停めて、徒歩で犬猫たちの餌場を目指す。飲み水も凍る中、出てくる猫たちは少なかったけれど、雪の上の足跡、減ったドライフード。存在はたしかに。やっぱり来てよかった、と思う。
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訪問したお宅
・山木屋交差点
・比曽坂のチョコ
・長泥ゲート前
・比曽ムク
・比曽マメのいたお宅
・お墓前
・たぬたぬのいたお宅
・コロ
・小春のいたお宅
・ピッコロ
・マリリンの納屋
・アプローチの長いお宅(犬シロと猫たくさん)
・大火
・石材店
・サロン
・電波塔前のお宅
・犬チーズ
・フサとマガリのお宅
・豚のクロ宅
・花卉農家
・須萱東端の2軒
雪のためにとても時間がかかり、22軒の訪問となりました。
写真はこちら

レンタカーDEMIOくんはスタッドレスでしたが、FF車のためか?凍結路の操縦に難儀しました…アプローチの長い家で坂道空転し、たまたま出会って近くにいたカントウさんとお仲間に車を押してもらい脱出。ありがとうございました!ドアマット大活躍。フリースの毛布はあんまり役立たず。そのあと、下りのゆるいカーブでスピン、対向車線で何とか止まる。除染トラックがいなくてよかった…冬道には慣れているはずなのに…とちょっとがっくり、凍結路面が怖くなりました。

もうすぐ5年。命を落としていった犬猫たちも数多くなってきました。ずっと支え続けている人たち、村に帰れない日々をずっと耐え忍んでいる住民の方々、家族と暮らせる日を待ち続ける犬猫たち。何ができるかな、自分に。

とりあえず…また今月も行くからね。みなさま、どうか、ご安全に。

今回もフードは、浅草ギャラリーエフに寄せられた募金から買うことができました。お気持ち、ご支援に感謝いたします。

2/11(祝)、浅草ギャラリーエフで、福島で保護された猫たちの里親さがしの会があります。一匹でも多く、新しいおうちが見つかりますように!猫を飼おうと考えている方に、どうか教えてあげてください。ペットショップへ行く前に!
http://ginji1124.exblog.jp/22297950/

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kiii



# by yun-ron | 2016-02-06 22:22 | 震災

2015.12.26 飯舘村 冬・小春びより

クリスマスの翌日、飯舘村へ。今回も浅草ギャラリーエフに寄せられた募金から買わせていただいた犬猫フードを届けてきました。いつもありがとうございます。

初めて会ったひめちゃん。あけっぴろげ。
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ケガして出てきてくれた電波塔のクマゴロー(女の子)。
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たくさん落ちていた紙皿。置いた分以上は拾ってきた。村に行きはじめた頃は、放射性物質ついてるし、バイオハザードだし、持って帰ってくるのも怖かったのですが…慣れって恐ろしい。
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飯舘村をはじめ、苦境にあるすべての生命たちにどうかご加護を。

私たちは、どこへ向かっているんだろう?
すべては生じ、滅する、この刹那に、なぜ他者を傷つけたりするんだろう?

今年もできる人が、できる時に、できることを。
考える。
愛をもって行動する。
押忍。

今回の写真はこちら■

kiii



# by yun-ron | 2016-01-02 13:10 | 震災

2015.11.8-9 飯舘村・山元町 5度目の秋

今回はレンタカー(レン銀号)で、福島・飯舘村の給餌と、宮城・山元町と仙台の親戚宅へ行ってきました。

飯舘村はあいにくの雨でしたが、気温は12℃。比較的あたたかく、日曜で除染作業もお休みだったため、トラックも少なくスムーズに給餌に回れました。束の間の実りの季節、サルがたくさん!柿を食べていたようでした。食べ物がなくなると、犬や猫の食べ物を狙って襲うこともあるそうで、これからが過酷な季節となるのは、野生動物も飼い犬猫も同じです。ケガ猫を発見したのに、捕獲器をもっておらず、連絡しようにもケイタイ電波がなく、電波探して走り回ること小一時間。緊急時に役立たずです(ソフトバンク)。。

特記事項;
・比曽の小ムクが怪我してるのを発見(以後犬班さん、日比さん方の保護連携に委ねることになりました。。)
・比曽の墓場前でキジトラを初めて見かけた
・大火BOXで白猫を初めて見かけた
・クララの丘のアプローチが舗装されていてびっくり
・クララ、電波塔のBOXは空っぽ

写真はこちら
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1162972463730529.1073741851.100000533597225&type=1&l=cc8cedf61b

ほたて王子
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誰も居ない秋の村はしんとして、それはそれは美しいですが、すぐに厳しい冬がやってきます。また命のリレーを密にせねば。
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4時過ぎに給餌終了、すぐ暗くなりはじめる。真っ暗な霧の中、峠越えで路面をカエルがぴょんぴょん跳ねてる様は幻想のようで怖かった。

たどりついた山元の親戚宅で、念願のはらこ飯をたらふくご馳走になる。外で食べるより、やっぱりおうちの方が美味しい!もち米入りのはらこ飯は初めて。
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新しい家族、白猫「ゆず」に癒される。
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常磐線がまだ不通だったり震災前と同じ生活が戻ったわけではありません。不自由がありながらも、それぞれの生活を軌道に乗せていく力強さ。町の復興協議も動いているようです。少しずつ、少しずつ。

翌朝、津波にさらわれた山元の海岸沿いを見に行きました。新しく築かれた堤防のほか、何にもありません。堤防で海も見えません。住宅地だったところは草が繁茂し、まるで最初から空き地だったかのよう。ここでも少しずつ動いている。
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その足で、仙台市内の伯母宅へ。正月に骨折してから自宅療養中とのことで心配していましたが、思ったより元気そうで、色々と話が尽きず。「何が貴方を飯舘村の活動へ駆り立てるの?」と問われ、「こんなことになったのは東京に住む自分達の無知のせいだし、そのしわ寄せが、特にものも言えない動物たちへいっているという罪悪感です」と答えていました。罪悪感でボランティアなどするべきではないと云われますが…これが本音。なんか小さいけど。

帰りは常磐道。仙台から一気に南下。福島原発の横をとおります。暗くて景色はほとんど見えなかったけれど、闇にぼんやり光るふくいち方面。
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4.4μシーベルトという、なかなかお目にかかれない放射線量に、改めて恐ろしさを感じる。この状態でなぜ再稼働??いのちや生活に優先させるものが一体どれほどのものなのかわかりませんが、飯舘村や警戒区域の動物たちが全頭里親にもらわれるか、生涯をまっとうするまで活動は続くことになります。それでも土地はもとには戻らないけれど。

今回も、フードは浅草ギャラリー・エフに寄せられた仁義箱から購入させていただきました。ご支援ありがとうございます。
いずみさんが給餌してくだすった雲龍も元気。ありがとうございます。
支え合っている。

kiii



# by yun-ron | 2015-11-11 01:32 | 震災

ヒトコトないしフタコトミコト
by yun-ron
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